白熱電球とLED電球は、家庭や事業所の照明でよく比較される選択肢です。特にLED電球は近年急速に普及しており、「コスト面で本当にお得なのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。本記事では、白熱電球とLED電球を初期費用、電気代、寿命、総コストの4つの視点から徹底比較し、経済的なメリットを具体的な数字を交えて解説します。
目次
1. 初期費用の比較
白熱電球の初期費用
白熱電球は1個あたり100~200円程度で購入できます。手軽な価格設定が魅力です。
LED電球の初期費用
一方で、LED電球は1個あたり800~2,000円程度と白熱電球に比べて初期費用が高いのが特徴です。しかし、近年では価格が下がり、1,000円未満のLED電球も増えています。
初期費用比較まとめ:
- 白熱電球:100~200円
- LED電球:800~2,000円
初期費用だけを見ると白熱電球のほうが圧倒的に安いですが、これだけで経済的判断を下すのは早計です。次に電気代について見ていきましょう。
2. 電気代の比較
電気代は、電球の消費電力によって決まります。白熱電球とLED電球の消費電力を比べると、次のようになります。
電球の種類 | 消費電力(W) | 明るさの目安 |
---|---|---|
白熱電球 | 約60W | 810ルーメン |
LED電球 | 約8W | 810ルーメン |
同じ明るさ(810ルーメン)を確保するために、LED電球は白熱電球の約1/8の消費電力で済みます。
1日5時間使った場合の電気代
電気代は「1kWhあたり27円」と仮定し、1日5時間使用する場合の電気代を計算します。
白熱電球
LED電球
年間の電気代を比較すると以下の通りです。
- 白熱電球:2,916円/年
- LED電球:388.8円/年
LED電球は白熱電球に比べて年間2,500円以上の電気代を節約できる計算になります。
3. 寿命の比較
電球の寿命は長期的なコストに大きく影響します。白熱電球とLED電球の寿命は次のようになります。
電球の種類 | 寿命 |
---|---|
白熱電球 | 約1,000時間 |
LED電球 | 約40,000時間 |
使用時間ごとの交換頻度
- 白熱電球(1,000時間):1日5時間使用 → 約6.5か月で交換
- LED電球(40,000時間):1日5時間使用 → 約22年間使用可能
LED電球は寿命が40倍も長いため、白熱電球を交換するコストと手間が圧倒的に少なくなります。
白熱電球の交換コスト(10年間の場合)
1,000時間の寿命を基に、10年間(18,250時間)の利用に必要な電球の個数は:
1個200円と仮定すると、交換費用は:
LED電球の交換コスト(10年間の場合)
40,000時間の寿命のため、10年間で交換は不要です。交換コストは0円です。
4. 総コストの比較
ここまでのデータを基に、10年間使用した場合の総コストを計算します(1日5時間使用、電気代27円/kWh、白熱電球200円、LED電球1,000円で仮定)。
白熱電球の総コスト
- 初期費用:200円
- 電気代:2,916円/年 × 10年 = 29,160円
- 交換費用:3,600円
合計:32,960円
LED電球の総コスト
- 初期費用:1,000円
- 電気代:388.8円/年 × 10年 = 3,888円
- 交換費用:0円
合計:4,888円
5. 経済的メリットのまとめ
白熱電球とLED電球を経済的に比較した結果をまとめると、LED電球は初期費用こそ高いものの、電気代と交換コストの節約により、長期的には大きな経済的メリットをもたらします。
項目 | 白熱電球 | LED電球 |
---|---|---|
初期費用 | 200円 | 1,000円 |
電気代(年間) | 2,916円 | 388.8円 |
10年間の交換費用 | 3,600円 | 0円 |
10年間の総コスト | 32,960円 | 4,888円 |
LED電球を選ぶことで、10年間で約28,000円の節約が可能です。
6. まとめ:LED電球は長期的に圧倒的にお得!
白熱電球は初期費用が安いものの、消費電力が大きく、寿命も短いため、長期的には経済的負担が大きくなります。一方、LED電球は初期費用が高いものの、電気代の節約と寿命の長さにより、長期間使えば使うほどお得です。
LED電球の経済的メリットを最大化するポイント:
- できるだけ早くLED電球に切り替えることで、電気代の節約効果をすぐに得られる。
- 初期費用の高いLED電球でも、長期間の運用を考えれば総コストは圧倒的に低い。
LED電球は、経済的な側面だけでなく、環境への負荷も軽減できるため、今後の照明選びでは最も賢い選択肢となるでしょう。