人工知能をビジネスで利用する際には、エンジニアを自社で雇うべき

 

以下の本を読んでいて気になった点があった。

いまこそ知りたいAIビジネス/石角友愛 (著)

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エンジニアを雇うか、委託するか

この本によると、日本のソフトウェアエンジニアの8割がシステムインテグレーターに勤めている。システムインテグレーターとは、情報システムの構築と運営を委託される企業のこと。要するに、ほとんどの企業が自社でエンジニアを持たずに、委託しているということだ。

それに比べて、アメリカでは7割のエンジニアがユーザー企業に勤めている。

以上のことから、日本企業では問題解決までの時間が長くなってしまうのは明確だ。それに加え、エンジニアがどんな課題を解決しているのか把握することが難しくなってしまう。

勿論そのことにより、メリットもあるだろう。自社でエンジニアを雇えば、一定のコストがかかる。もし、その課題が解決したとしても雇ったエンジニアなら解雇できない。新たな問題が生まれるまで、そのエンジニアの仕事は無難なものしかなくなる。委託すれば、課題解決後には異常があるときにサポートをしてもらうだけで済む。

ただし、人工知能ビジネスにおいてはデメリットのほうが大きいだろう。現場とエンジニアの乖離が生まれる。これは最大のデメリットだ。というよりも、課題が適切に解決しないことが多いだろう。こうなると「人工知能なんて所詮こんなものか」というイメージがついてしまう。

特に顕著なのは、宅配委託サービスのウーバーと出前館だろう。ウーバーでは宅配を誰に任せるかを機械が決めている。お店の近くにいるスタッフから適切なスタッフを選びだし、瞬時に委託する。一方、出前館はその振り分けを人間が行っている。ある程度は機械が行っているかもしれないが、ウーバーのように完全に機械化はできていない。ウーバーがIT企業なのに対し、出前館はただの宅配委託業なのだ。

AIを活用して業績が伸びる業界

本書によると、AIが不可欠な業種が16%で、AIを導入することにより業績が伸びる業種が69%を占めるという(マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの発表した資料)。

特に顕著に伸びる業種は、旅行業界、物流業界、小売業界とのこと。

約70%の業種で、人工知能を活用することにより、業績の伸びが期待できることには驚いた。かつてのイギリスでの産業革命のように、あらゆる分野で、AI革命がおこるといっても過言ではないかもしれない。

当時の産業革命がどれほどの業績の伸びがあったのか分からないので、AI革命は過言か…